神楽坂のメイン通りから外れた裏路地の奥にある、文字通りの隠れ古民家レストラン。
「京料理」
「ディナーコース」
「名店ひしめく神楽坂」
「古民家リノベーションの隠れ家レストラン」……
合せ技で結構な値段になっちゃいそうなパワーワードの羅列ですが……
えっ?これだけ揃って1人5,480円(税込)!?
しかも一見安いけどリアルには使えなかったりする「見せコース」「釣りコース」ではなく、メニューはコレだけ、お店の「勝負コース」で?!
これは色んな意味で使えそうな店のニオイがプンプン……( ̄ー ̄)ニヤリ
という事で、実際に利用してきました!
今回も良かった点はもちろん、気になった点も含めてのリアルな個人ブログ的レビューです!
好き勝手に正直に、書き散らかしてみますネ!
(*´∀`)b
「枝魯枝魯(ギロギロ)」というお店
お店のコンセプト
お店のコンセプトはズバリ「くずし割烹」。
ん?「くずし割烹」とは?
「学生でもリーズナブルに京料理を味わって頂きたい。固いイメージを崩したい。
と言う意味も含めて『くずし割烹』を始めました。」
だそうな。
(お店のホームページより)
なるほど。
それで値段もいい感じにくずれてる感じなのね。
店名の由来
その「くずし割烹」の店の名は?
「枝魯枝魯」と書いて「ギロギロ」。
何だろう……どこかドラクエⅤのビアンカを彷彿とさせるネーミングセンス。(「ネコちゃん」の名前提案で「ゲレゲレってどうかしら?」的なw)
訊けば、大将の枝國栄一氏の「枝」。
そして稀代の美食家、北大路魯山人の「魯」が由来だそうな。
枝
卓上にセッティングされた、日本料理店らしからぬ独特なセンスを放つランチョンマット。
ん?「音楽祭」?「2024.6.15」?
チョイと調べてみたところ大将の枝國栄一氏、京都の音楽祭「Fête de la Musique KYOTO 2024」ってのを主催。
しかも電気グルーヴの石野卓球氏と並んでDJまでやってる?!
傾(かぶ)いてんなぁ……オイ……
オーナー、枝國栄一氏のブログ⇓
見れば京都の本店以外にパリとハワイにも支店があるみたいですな。
センスやらテイストやら何やら、妙に腑に落ちたので参考までに。
魯
やっぱり、と言った感じの魯山人の「魯」。
私も結構好きな美味いもん喰いの陶芸叔父さん。
そんな由来からか、お店では魯山人の星岡茶寮とまではいかないものの、ちょっとした茶懐石で使っても遜色ない器にこだわりが見え隠れ。
お店の雰囲気
いわゆる古民家リノベーション系のお洒落なお店。
「隠れ家」な雰囲気がしっかり演出されてて、お店を探しつつ引き戸を開けるまでの過程からワクワク感があります。
でも本当に隠れてるからか、お店の場所の問い合わせと思われる電話が何度も聞こえてきたりw
ま、それはそれでまた一興。
それでこそ「隠れ家」。(*´艸`*)
(デートで使う際には例によって下見推奨ですw)
実際に利用してみた感想
「これで5,480円…コスパやべぇ!」
この一言に尽きます。(笑)
が、全てにおいて完璧でその上安い!という訳ではなく……
あえて先に触れておく「気になった点」
オススメする上での懸念点が無いでもないので、あえて先に触れておきますね。
(どっちみち、行けば分かっちゃう事なので)
私からは ざっくり2つ。
器に扱いが追いついてない
前述の通り、器好き目線で見てもなかなか気の利いた陶器を使っているのですが…
正直言って扱いが素人目に見てもかなり荒っぽい印象。
欠けてる器、割れてる器にも結構な高率で遭遇します。
いや、チップしたら終了のグラスと違って、陶器は多少欠けても味のうち。
繕って大事に使いましょ。
分かってます。むしろ私もそっち派。
が、大事に使い込んで付いた傷と、雑に使って付いた傷はやっぱり違う訳で……
この過酷な扱いにチップもせずに耐えられるのは……
私の知る限り、伝説の名器「ヤマザキの皿」ぐらいであろう。(笑)
『見られてる意識』が若干低め
1階は仕事っぷりが眺められるコの字型カウンター席。
臨場感たっぷり…なのはいいのですが……何と言うか……
気の利いた寿司屋みたいな「魅せる舞台」と言うよりは「見えちゃってる裏方作業場」みたいな印象で……
いや、私もオトナなので あえて細かく指摘はしませんけどね。
( ´ー`)
あえて特に気になる点を挙げるとしたらこんな感じ。
気にならない人は特に気にならないとは思いますが、ゲストによっては地雷要素になりかねないので念の為。
総評
ま、その辺を差っ引いたとしても「この値段でこの内容!」と考えるとトータルでは恐るべきコスパ!
逆を言えばこの辺の心掛けが改善されるだけで とんでもなくブッ飛んだオススメ店になるポテンシャルが…
あくまでガチの美食家モードとは別の「くずし割烹」として、気軽に、気楽に、肩の力を抜いて愉しむスタンスで行くなら間違いなく要チェックなお店です!
( ´∀`)b
(「くずし」が本来の意味とは違った「逃げの言い訳」にならなきゃいいんだが……と、切に願います)
月替りコース・水無月 ¥5,480-(税込)
以下、今回のコース内容と感想を徒然に。
メニューは月1ペースで替わってるっぽいので参考までに。
(*´∀`)ノ
先附
先附は魚のすり身で作った「魚そうめん」。
なんかオレンジジュレやら麹明太子でオシャレっぽく飾り立ててありますが…
ここはひと思いに、とろろでつるっ!と啜るに限るぜ。
椀子蕎麦ばりにガンガンお替りしたくなるのに出来ない、焦らしアペリティフ効果。
これから来る夏に想いを馳せつつ、海苔とアラレでお茶漬け気分な余韻。
前菜
「マスカットと茸の白和え、甘酢大根で〆鯖とか巻いたヤツ、小メロンのフライ(生ハム巻き)、鰹節粉そら豆、鱧の骨せんべい」なんかの盛り合わせ。
瑞々しさの演出の為に、提供直前に霧吹きシュッシュ!の小技もバッチリ。
が、下に敷いてある葉っぱが待ちくたびれてヘタってるのは御愛嬌か。
食材の取り合わせは面白いが、そのワクワク感を大きく上回るようなインパクトはチト弱め、というのが正直な感想。
ま、普通にオシャレ風オツマミとしてはいい感じ。
椀
とうもろこしの揚げ出しと稚鮎の塩焼きの椀。
稚鮎にアスパラガスの緑、トマトの赤で季節感バッチリ!
ん?あれ?オレの稚鮎ちゃんの下半身、どこさ行った?
(鮎の姿の美しさを大切にする魯山人に出したら怒られるぞ〜(笑))
刺身
本場スタイルな「藁焼き」を強調して登場した「鰹のタタキ」。
高知で喰ったガチの鰹のタタキと比べると藁の燻し香はかなり弱めの微香タイプ。
ポン酢と相まってかなりサッパリと。
そうだな……筋骨隆々、真っ黒に日焼けしたワイルド漁師が土佐のタタキなら、ここのは色白細身、髪の毛サラッサラのイケメン風が二週間ジムに通いました、的な?
まぁあんまり強烈だと苦手な人もいるから、東京で万人受けを狙うならやっぱり爽やかイケメンタイプになるのかなぁ、とか思ってみたり。
揚物
「天ぷらの盛り合わせ」
ベビーコーン、万願寺唐辛子、さつまいも、そして鱧。
「万願寺」に「鱧」ってワードが入るだけでも一気に京料理感が出ますよね。
横に長〜いサンマを模したと思われる器で緑のネギソースと共に。
ネギソースと聞くと凄く主張が強そうなイメージですが、素材の半歩後ろを歩いて引き立ててる感じ。
圧倒的に塩派の私だけど、他店との差別化も含めてコレはコレで大いにアリ!
強肴
コレ、個人的にめっちゃテンション上がった!(〃∇〃)
「合法 生レバー」との呼び声も高い「サメの心臓」!
鮮度落ちの早い食材ゆえ、東京で食べられるのは稀も稀、という話。
(私も東京では初遭遇かな)
コレ喰いに気仙沼まで行ったことあるんだよなぁ……
現地での呼び名は「もうかの星」。モウカザメの心臓ですね。
お味の方は…初体験さんのお楽しみもあるので あえて伏せておきましょう!(笑)
とりあえず私は大満足。(´ω`)
とは言え、次に遭遇出来るとは限りませんけどね。(´艸`)
ご飯・香の物・留椀
「新生姜と枝豆の炊き込みご飯 しらすのおかず煮」「鯛出汁椀」
頃合いを見て釜で炊き上げるご飯。
茶碗は人により違う、けど選べず。ガチャ碗。
(友人のヤツの方が好みだったんで替えてもらってみたり)
サッパリ生姜にしらすの味付け加減で美味しくパクパク。
鯛出汁の椀は結構ワイルドな感じ。
甘味
このお店、雰囲気的にデート使いが多いかと思いきや、女性組率がかなり高め。
その理由の一端がここで分かった気が……
「濃厚抹茶プリン・胡麻わらび餅・小豆コーヒークリーム水無月・トマトのコンポート」
そして「香ばし温か茶」!
どうです?最後の締めくくりで手を抜かないデザート構成!
しかもコレ、和食の枠に囚われすぎずにしっかり満足感のあるアレンジ加えてますね。
それでいてしっかり京都感も漂うラインナップ。
やっぱり最後の印象って大事だよなぁ……
ドリンク
飲み放題コースはナシ。
「エビスビール(生)800円」の価格帯。
(これだけで大体伝わっちゃったりする「とりあえずビール」の偉大さよ(笑))
店の推しは季節ごとに替わる日本酒と思われ。
(「新政」あります。で、日本酒好きには伝わるかと)
「半合」での提供も可能なのが地味に有り難い。
で、日本酒を注文すると……
好きな酒器で呑んで下さいネ、という趣向。(・∀・)
器選びって面白いよね♪と思う反面、実は最高クラスに難易度の高い日本酒の器選びをファッション感覚で任せちゃっていいのか?!という気が…しないでもない。
(ワインにおけるグラス以上に、陶器は形で素材で釉薬で、味、無茶苦茶変わります!)
ちなみに私が「仙禽 かぶとむし」の華やかな香りと甘さを引き立てたく選んでみた器はコレ。
結果、思った以上に甘みが丸く重厚になり過ぎちゃったなぁ…という印象。
(正確には錫の片口に注いでる時点で一段階変わっちゃってるんですケドね)
ぶっちゃけ、安定感のある白ワイングラスで飲みたかったかも…(笑)
まとめ
ん?あれ?
あらためて書いてみると何だかんだ言って結構な充実っぷりですね!(・∀・)
この内容で、神楽坂で、オシャレな古民家リノベーションで、ディナーで、5,480円!
気になった方、値上げされちゃう前に、予約取りづらくなっちゃう前に、ってヤツですね。
( ̄ー ̄)
参考情報
アクセス
神楽坂のこの辺り。
本当に隠れてる感じなので例によってデートの際には下見推奨です!(笑)
食べログ
枝魯枝魯 神楽坂 (ギロギロ)
私もレビュー書いてます。( ´∀`)b
予約は食べログからでもイケます。
枝魯枝魯ひとしな
京都にある枝魯枝魯はコチラ!
参考までに。
一休.com レストラン
一休.comからも予約可能。
会員ランクがアップする利用実績の足しにもなるので個人的にオススメ。
facebook「枝魯枝魯 神楽坂」
お店の公式フェイスブックページ
2023年3月から更新されてないですケドね。(笑)
(私もブログの更新、マメにやらんとなぁ……)
( ´ー`)フゥー...
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